Paragonはインドネシア最大級の化粧品メーカーであり、社会全体の利益を考慮してイノベーティブな製品を展開する。ハラールコスメとグルーミングの草分け的存在として知られ、同社のブランドWardah、Emina、Make Overはインドネシアの人気化粧品ブランドトップ10にランクインする(Statista, 2020)。
コロナ禍はビューティー業界に大きな影響を与えた。消費者の節約志向が強まり、化粧品の購入は減少傾向を示した。またParagonは、屋外での運動による日焼けやハンドサニタイザーの頻繁な使用など、肌への刺激が増えたことに着目。消費者のニーズの変化に対応するために製品戦略を練り直した。
ParagonはWGSNのインサイトとトレンド予測を活用し、熱帯地域に住む人々に向けた敏感肌用の新しいラインLABORÉを立ち上げた。WGSNの原料トレンド予測を参考にして皮膚の常在菌に働きかける成分に重点を置き、マイクロバイオーム技術に投資し、科学的根拠のある製品の開発に注力した。またWGSNによるイノベーティブな日焼け止め製品のリポートから着想を得て、Wardahブランドでスティックタイプの日焼け止めを発売した。
ParagonはWGSNによるZ世代に特化したリポートからZ世代消費者とのコミュニケーションについて学んだ。そして10代の若者をターゲットとしてEminaのリップ製品を打ち出して成果を出した。コロナ禍がビューティー業界にもたらした数々の問題を乗り越え、Eminaのターゲット層の消費者を取り込むことに成功。WGSNのリポートを参考にしたおかげだと報告を受けている。
結果
ParagonはLABORÉを立ち上げ、敏感肌用マイクロバイオームスキンケアを提供するインドネシア初の化粧品メーカーとなった。Wardahの日焼け止めやEminaのリップといった新製品から、新ラインLABORÉの製品まで、どれもが素晴らしい業績を収めた。LABORÉの限定パッケージは発売後2週間で売り切れとなった。Paragonはイノベーティブな企業としてインドネシアのビューティー市場でのポジションを強化することができた。
「WGSNリポートでの最新注目トレンドの取り上げ方が非常に好きです。明確に説明されているので、トレンドを掘り下げてイノベーションを生み出しやすいです」
- ブランドイノベーション&クリエイティブ上級部門長 Andriani Oktadianti